今日もスゴイ風。ここまで強いとさすがに花粉を感じますが、今年は「じゃばら酒」効果か、周りの人に比べ、私は症状が軽いです。それでも辛いものですね花粉症は。。。
さて、今回は九州訪問の最大の目的である佐賀県鹿島市の富久千代酒造「鍋島」訪問記です。
同行してくださいました行橋市の浦野酒店さんとアルファオメガ諏訪の片倉さんとは前日にバラバラになってしまったために朝に蔵へ集合となりました。
ナビの誘導通り進んだのに酒蔵近くに来たところで何故か迷子に・・・時間ぎりぎりになって蔵に着いてみるとお二人はだいぶ前から来ていたようで、浦野さんは「蒸し」の工程から見学していたとのこと。
しまった、私達も朝や早くから来れば来れば良かった。でも、私達夫婦は朝がめっぽう弱いんだよね・・・
何はともあれ蔵には着いたのですが、まずビックリしたのが蔵の大きさ。
※「鍋島」醸造元 佐賀県鹿島市・富久千代酒造入口。
とてつもなく大きな鳥居が目印です。
先代の頃には大量生産を行い生産量も大きかったと聞いていたのですが、現在「鍋島」はわずか300石にも満たない生産量。
蔵もさぞ、小さいのかと想像していたのですが、中に入ってみるとメチャクチャ広い。規模的には一万石ぐらい造れそうな敷地です。
こんなでかいところで現在はわずか240石。
現場を見てみないとわからないと思いますが、実は大きな蔵というのは大量生産には効率の良いつくりとなっているのですが、この中で小さな造りを行うとなるとなるとあちこちに作業をする場が点在してしまい非常に効率が悪く、コントロールも難しくなってしまいます。
当店が扱っている酒でも同じように大きな蔵での小さな酒造りを行っている蔵は「百楽門」「鉄砲隊」「川中島幻舞」などありますが、「鍋島」は最も苦労する蔵の造りだと最初に感じました。
しかし、建物自体が
登録有形文化財にもなっており、大幅には手を入れられないようです。
杜氏兼社長の飯盛直喜さんがどこにいるのかわからないので広い蔵の中を探しているとまたまた驚いたのが蔵人の数。
通常、一人100石という生産量が理想と言われる日本酒造りにおいて240石の造りに対し、現在は何と七名で造りにあたっているとのこと。
それだけでコストを度外視して酒造りを行っていることがわかります。
蔵内を探しているとどうも麹室の中にいるらしい。
※時代を感じる怪しい雰囲気の麹室(こうじむろ)
麹室は日本酒造りの心臓部。最も大切で神聖な場所ですので、部外者の僕たちが勝手に扉を開けるわけもいかず、外で待っているとひょこっとスナフキンばりに顔を出してきたのが、酒造りの天才と言われる飯盛直喜さん。
飯盛さんは挨拶もそこそこに口から発した言葉は「仕事しない?」
私達「???」
飯盛さん「早く早く、急いで中に入って!」
私達「いいんですか?入っても?」
飯盛さん「入らないと仕事できないでしょう!」
私達「失礼しま~す」
ということで見学もなしにいきなり麹室へ。
中にはいると先程、蒸し上がった酒米を広げ、いよいよ麹造りが始まるところ。
飯盛さん「早く早く急いで広げて!」の声
私はこういった仕事をしているので、色々な蔵の麹造りを見学していますが、中には室内には絶対に部外者は入れないところもあり、蔵の社員でさえ麹を触らせてもらえないというところはたくさんありますので、ちょっとビックリしましたが、そんなこと考えている時間もなく、米が熱いうちに急がねばなりません。
私と浦野さんはもちろん、妻と飯盛さんと初対面の片倉さんも挨拶をする間も無く、麹造りを手伝います。
片倉さんはかつて酒蔵に務めていた方なのですが、蔵にいたときでさえ造りに携わる極一部の人間しか麹に触ることは許されなかったそうで、彼も様々な蔵を訪れていますが、実際に麹造りは初めてとのこと。
こんな貴重な体験ありがとうございます。信頼してくれているのですね。と信じます。
何だか私はへっぴり腰の上に超が付くほど不器用なので、作業がおぼつかないのですが、私の妻はパン職人と言うこともあり手際がいい!
妻曰く、パンの生地を扱うのと似ているそうで、すごく楽しい!とのこと。
飯盛さんにも「奥さんすごく丁寧でうまいよ!それに比べて旦那さんは・・・」
「えっ!(汗」結構がんばっているつもりだったのにちょっとショック。
それでも皆様安心してください。私が手を掛けたところは妻がフォローしてくれたので完璧です。良い酒になるはずですよ!
酒米を広げたところで飯盛さんが種麹を手に持ち、いよいよ麹に命を吹き込む「種付け」が行われると思いきや、「はい」っと種麹の入った布を渡されました。
「もしかして僕がやるんですか!?」
「もちろんでしょ」と飯盛さん
通常は杜氏だけが許される大事な作業。
全く音のない麹室の中で、「サァッサッ」と麹菌を振る静かな音だけが聞こえる瞬間は神聖な儀式そのもの。
そんな大事な作業をやらせていただいて良いのでしょうか?と思いつつこれはまたとない経験、もちろんやらせていただくことに。
とりあえずチャレンジしてみたところ何だかやっぱりへっぴり腰・・・
他の蔵で見てきたのを思い出しながら見よう見まねでやってみましたが、キチンと麹菌が落ちているのかいないのかよくわかりません。
それぞれの蔵のやり方があるようで、教えていただきました。
その方法はここでは一応、秘密にしておきます。
続いては妻の番。
これもパンやケーキにパウダーを振る要領と同じだそうで、写真から見てももう本職です。
飯盛さんからもお褒めいただいてましたが、私からすると何だか複雑・・・
お次は本打ち登場!飯盛さんです!
あれ!?やっぱり全然違うじゃないですか飯盛さん!
やっぱり、天才は違いますね。
今まで見てきた杜氏とはやり方が異なり、その姿には何か大きなオーラを感じました。
種付けが終わり、次は包みです。
ここで一段落!お疲れさまでした。
一段落ついたところで浦野さんが驚きの発言!
「麹菌食べてみていいですか?」
「別に良いけど、食べてみたいっていう人初めてだね」
浦野さんは私と体型も似た生粋の食いしん坊。私ももちろん食べてみたいです。
麹菌はカビの一種なのですが、特段、味といったものはなく、ちょっと味があって固めのポンセンといった感じでしょうか?
飯盛さんも「どう?美味しい?」と聞いていたので「食べてみたらどうですか?」と私達。
「いや、遠慮しておく・・・」
「え、何で・・・」
実は麹室の中で、蒸し上がった酒米も食べさせてもらいました。
通常、酒米は食べて美味しいものではないのですが、食べてみると「これ、おいし~い!」
この時は純米吟醸用の50%に磨いた地元産山田錦だったのですが、この美味しさが「鍋島」の秘密なのだと思いました。
麹も独特な栗のような甘味と香りがあり、お菓子みたいで美味しいです。って食べてばっかりいるとお酒が造れなくなってしまうので、ここでお昼ご飯に。
お昼ご飯に行く前に仕込み水も飲ませていただきましたが、水質は非常に柔らかい軟水なのですが、ここの水は甘味というか旨味というか味があるのです。
この水と酒米の美味しさがあの他に類を見ない「鍋島」独特の味を生み出すのだと悟りました。
蔵人達のこれでもかというぐらいの徹底した手間や努力、そして天才杜氏と言われる飯盛直喜さんの情熱とセンスがもちろん重要で、これらが合い絡まり、あの素晴らしい「鍋島」の世界が生み出されているのです。
飯盛さんに連れて行っていただいたのはお近くの「えん」様。
前菜からしてスゴイです!
お昼から超豪華版。
昼の上に車だし、まだまだ仕事中ですのでお酒が飲めないのが残念すぎる・・・美味しすぎてスゴイ勢いで食べてしまったので、気付いたら前菜しか写真に撮っていませんでした。
お酒の種類も豊富でかなりオススメですので、鹿島市肥前浜に行った際には是非、お寄り下さい。
ショップカードも忘れてしまったために詳細がわかりませんが、この辺で聞けば皆知っていると思います。とにかく綺麗で美味しく、サービスも◎です!
さて、今日はこの辺でおしまい。
鍋島訪問記はまだまだ続きます。
お楽しみに!