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ワインの基礎知識~熟成編

前回の『樽』に関するお話しはちょっと難しくなりましたね。

とにかくワインは樽を使っている物といない物の種類だけ。

その味の違いを知っておくと便利ですので、購入するときに確認してみてくださいね。

お次はワインの神秘『熟成』のお話し。

何度かお話ししているとおり、ワインは葡萄果汁を発酵させた物。

発酵し終わってワインとなってからは『熟成』という大事な時の流れが必要となってきます。

ワインには赤・白・ロゼ・発泡性、すべてに共通して「早く飲むタイプ」と「遅く飲むタイプ」の2つに大別することができます。

どういうことかというと「早く飲むタイプ」というのは何も一本を数分で飲まなければならないということではなく、醸造過程を経て、ワインとなってからあまり時間を置かずに飲むワイン。

つまり『熟成』の必要がないワインで、一般的には『早飲みタイプ』と呼ばれます。

このワインの代表的な物が皆さんもよく知っている「ボージョレ・ヌーヴォー」。

そして、「遅く飲むタイプ」とはワインとなってから『熟成』という時間の流れが必要なタイプ。

よくテレビなどで超高級ワインとして知られる『ロマネコンティ』や『シャトー・ペトリュス』、『ドン・ペリ』などもそういったタイプですね。

この二つのタイプは何が違うかというと前者は「新鮮さ」や「若々しさ」を楽しむタイプで、長期間熟成をしたところで、ワインの持つ生命力がついていかず、長くとも3年から5年程度で飲み頃を終えてしまいます。

気軽に飲める手頃なワインの大部分がこの「早飲みタイプ」として造られています。

対して後者は何年という長い時を掛けた熟成が必要なワインなのですが、何故、この『熟成』が必要になってくるのでしょうか?

『熟成』が必要なワインは非常に熟した葡萄から造られ果汁の味わいも濃厚な物になります。

甘さも私達が普段食べているものと比べ、驚くほどに甘いのですが、ワインを造るのに良い葡萄という物は酸味も強く、赤ワインを造る黒葡萄(皮の黒い葡萄)は皮の色も濃く、渋みの元となるタンニンという成分も多く抽出されます。

よって搾り出された果実は甘味も酸味も豊富にあり、渋みも出て、更には樽で熟成させることにより樽に由来するタンニン分(渋み)が加わり、非常に濃く力強い味わいのものとなっていくのですが、まだ出来上がって間もない若い状態で口に含むと強烈な渋みが口中を支配していきます。

この渋みを穏やかにするために『熟成』という時の流れが必要になっていくのですが、それと同時にもう一つの作用があるのです。

これは味噌や醤油、ソース、はたまたお漬け物などにも共通することなのですが、熟成させることによって隠れていた美味しさや新たな旨味というものが出てくるのです。

漬け物なんかは浅漬けの場合はサッパリ素材の味わいが主体ですが、時間が経つにつれ味わいも複雑さもまし、旨味が出てきますよね。

それと同じでワインの場合も熟成によって若い頃に隠れていた旨味や香りが現れてくるのです。

こういったタイプのワインには5年、10年、長いものでは20年以上という時間の流れが必要になってくるのです。

そして、長い期間『熟成』されたワインはその間のコストや希少性の高まりにより価格は上がっていきます。

しかし、すぐにワインを現金化したい生産者達はまだまだ飲み頃でないにも関わらず販売してしまうことも少なくありません。

このようにワインには「早飲み」と「遅飲み」という2つのタイプがあることをご理解いただけましたでしょうか?

「ワインは古い物ほどいいんでしょ?」とよく言われますが、そうではなく、それぞれのワインにはそれぞれに必要な時間の長さがあるのです。

「樽」と同じで、どちらがよい悪いではなく、それぞれに楽しみ方があるのです。

そんな楽しみ方を有名な『ボージョレ・ヌーヴォー』を例にとってお話しします。

『ボージョレ』とは産地名であり、ワイン名でもあり、フランスのブルゴーニュ地方のワインで、赤、白、ロゼが造られています。

『ヌーヴォー』とは『新しい』という意味。

つまりはワインの場合、「新酒」という意味です。

フランスのワイン法で『ボージョレ』の場合は『ヌーヴォー』は赤しか認められていませんので、ここでは赤ワインを取りあげます。

ブルゴーニュと言えば前回2回でお勉強したとおり使用される赤ワイン用葡萄品種の代表格は『ピノノワール』ですが、この『ボージョレ』では『ガメイ』種という品種が使用されています。

『ガメイ』はもともとこの地方の大衆酒に使用される葡萄なのですが、素晴らしいボージョレの生産者の中には『ピノノワール』に決して負けないワインを造っている人達もいます。

彼等の造るワインは10年以上もの熟成に耐えるワインであり、いわゆる「遅飲みタイプ」。

つまり『ボージョレ』には「早飲み」と「遅飲み」が存在するのですね。

「早飲みタイプ」の代表格、『ボージョレヌーヴォー』は出来たての新鮮な味わいを楽しむもので、私が個人的に楽しむとすればフレッシュな軽めのハムや塩ゆでの豚など簡単で軽い味付けの料理と楽しみたいもの。

「遅飲み」の熟成品であれば軽い料理では料理が負けてしまいますので、豚の煮込み料理など時間と手間を掛けた複雑な味わいの料理と楽しみたいところ。

どちらの方が美味しいとか良い悪いではなく、どちらも美味しく楽しめるということです。

そろそろ『ボージョレヌーヴォー』の季節。

今年はひと味違ったヌーヴォーの楽しみ方をしてみませんか?

ちなみに『ヌーヴォー』でも良い生産者の物になると新年、春先、一年後と熟成が進み、解禁日時点では見えなかった素晴らしい美味しさが現れてくることが多々あります。

今年は同じワインを2本買って一本ストックしておくとおもしろいですよ!

私は毎年、解禁日には新しいのと一年前のを両方開けて楽しんでいます。

皆さんもお試しになってみては?

次回はワインの基礎知識最終回。

家庭での楽しみ方です。

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