ワインの基礎知識〜家庭での楽しみ方編
さて、いよいよワインの基礎知識最終回です。
前回まででワインを買ったり、注文したりするポイントはおわかりいただけたでしょうか?
最初はポイントがわかりづらいかもしれませんので、恥ずかしがらずに店員さんに相談してみてくださいね。
誰だって最初から知識のある人はいません。私だって最初は無知だったんですから何も恥ずかしがることはないんですよ!
今回はいよいよワインを購入してきたらお家で楽しもうというお話。
まず、最初に私がお店をやっていて受けたクレームからご紹介いたします。
これを知っておくとご自宅やレストランで嫌な思いをしないで済む手助けになるかと思います。
一、コルクが折れた
恐らく私が今までに受けたクレームで最も多いのがこれ。
ほとんどの方がおっしゃるのは「コルクが不良品だったから換えてくれ」。
コルクの不良は確かにあります。
しかし、その場合は中身のワインも劣化していることがほとんどです。
今までの経験上はコルクも中身も正常なことが多く、はっきり申し上げると開栓に失敗しているものがほとんどです。
確かにコルクを開けることは少しコツが要ります。
本来はやはりソムリエナイフで開けるのがベストなのですが、慣れない人が使うには難しいもの。
最近ではクルクルとレバーを回しているだけで、力茂要らず開けられる物もあるので最初はこれがおすすめ。しかし、これの欠点は必ずスクリューがコルクを突き抜けてしまうためにワインにコルク片が落ちてしまうこと。
実はこのクレームもかなり多く、「ゴミが浮いている」と言われ確認するとそのほとんどがコルク片です。
コルクは植物で、口に入っても無害ですので、大きい物だけを取りのぞき飲んでも平気です。
どーしても気になる方は浮いている上澄みをすくってあげてください
また、コルクには性質上欠点があり、「ブショネ」と言われる「コルク臭」が現れることがあります。
これはカビ臭によく似ており、「ブショネ」のコルクを嗅ぐとすぐにわかります。
また、ワインにもこの臭いがつき味わいも変質してしまいます。
「ブショネ」は返品対象となりますので、ワインを開けてコルクとワインが変だなと思ったらワインとコルクを販売店に持っていきましょう。ワインとコルクは絶対に捨てないでくださいね。話だけでは判断がつかず返品できなくなってしまいますからね。
二、濁っている・ガラスが入ってる
これらの問い合わせなども多く、最近は更に増えています。
まず、「濁り」の方ですが、このほとんどの場合が、ワインボトルの底に溜まっていた「オリ」が、ワイン中に混ざり濁ったもの。
「オリ」はワイン中の成分で熟成と共に余分な色素や渋みの成分などが落ちていったものです。
ですから、人体には全くの無害なのですが、口に入れると苦みやザラつきがあるため取りのぞきます。
取りのぞき方は数日間ボトルを立てて「オリ」をボトルの底に落としてから「オリ」が混ざらないようにゆっくりとデキャンタと呼ばれる容器に移していき「オリ」と「ワイン」を分ける作業を行います。
これは「デキャンタージュ」と呼ばれる作業でテレビなどでソムリエが行っているのを見たことがあると思います。
ちなみにソムリエが「オリ」を取り除く目的で、本格的にデキャンタージュする場合は寝かせて保存している状態のままワインバスケットにそっと移してからデキャンタージュします。
次の「ガラスが混入している」という問い合わせについてですが、これは本当にガラスが混入しているわけではなく、酒石酸というワイン中のカリウム分が結晶化し、コルクなどについている状態で大きくなると水晶のようになり、わずかの時にはコルクの表面がキラキラと光って見えます。
この酒石酸は「ワインの宝石」と呼ばれ、昔から良いワインの証とされており、もちろん、口に入れても無害ですので全く問題ありません。
最近、こういったお問い合わせが多いというのは、近年は旨味成分をワインに残す目的で、最終段階での濾過を軽めにしたり、全くの無濾過で瓶詰めしている物が多くなっており、成分が多く、濃いワインとなっているために結構、手頃なワインでも「オリ」や「酒石酸」が多く見られるようになったことが考えられます。
「オリ」や「酒石酸」が出ていることは一般的には良いワインの証です。
しかし、「濁り」に関しては保管状況の悪さによる濁りの場合もありますので、ご注意してください。
但し、その場合は口にしても酷い味わいになっているので、すぐにわかります。
この場合は速やかに返品しましょう。(※ご購入後の保管によって変質した場合はクレームの対象にはなりませんので、ご注意を!)
3.「まずい」
これは個人の嗜好の問題なので、しょうがないと言ってしまえばおしまいなのですが、私の経験上、飲めないほどに「まずい」ワインという物はほとんど存在しません。
特に日本国内で流通している商品の中で、そういったワインは滅多にないと思っています。
もし、そのワインがまずいのであるならば、「まずくなってしまった」理由があると思います。
次にはまずくしてしまった理由をお話しします。
① 保管
これは生産者・流通・輸入業者・問屋・小売店・レストラン・一般家庭すべての段階において悪い保管による品質劣化が考えられます。
ワインセラーのない一般家庭ではご購入後に涼しいところで保管し、なるべく早めにお飲みになることをおすすめいたします。
温度は高くとも25度は絶対に超えないように気を付けてくださいね。
夏の間などは冷蔵庫の中で保存するのもおすすめですが、冷蔵庫はあまり長期保存には向きませんので、一夏を目安に御利用下さい。
② 食べ合わせ
食べ合わせは結構、重要でワインを生かすも殺すも一緒に食べるものだったりします。
前回も御紹介した例ですが、樽を使用した白ワインと光り物の刺身など食べたときには人生終わっても良いと思うくらい生臭さが体中を駆け抜け、酷い物です。
簡単な料理とワインの相性の見極め方はワインをワインと思わず、調味料などと同じように考えてください。
例えば煮詰めたジャムのような味わいのワインであればジャムと合う食材。
豚肉や鴨肉、ハムなどはジャムソースを掛けたりするのでよく合うはずですよね!
コショウのようなスパイシーな香りを豊富に持つワインなどはコショウをたくさんかけても美味しい食材。
やっぱり牛肉のステーキなど赤身肉が思い浮かびますね。
ワインと料理の組み合わせと考えると難しく考えがちなのですが、こういう風に考えると気軽な物。
ヒントは色と香りで、赤ワインだったら赤や紫、茶色の食材と相性が良く、白ワインだったら白や緑、黄色の食材によく合い、赤白ともワインの持つ香りと同系の香りを持つ料理は絶対によく合います。
ご家庭で飲むときに家族みんなで試してみると楽しいですよ。
③ 温度
白ワインは冷やして、赤ワインは常温でなどとよく言いますが、これが全てではありません。
先にご説明しておきますが、赤ワインの「常温」とは15~18度位を指し、これは中世ヨーロッパの平均的な気温を指しているために現代の「常温」とはかなり異なります。
赤白共に言えることは温度が低すぎてもあまり高すぎても本領は発揮できません。
共通して言えることは爽やかで軽い味わいのものは冷やして飲んで美味しく、濃い味わいのものはやや高い温度で。
濃いタイプの白ワインであれば10~12度ぐらい。
濃いタイプの赤ワインであれば15~18度ぐらい。
そんなピッタリに温度調整できないよという方がいらっしゃると思いますが、先に冷蔵庫で冷やしておいて飲む15~20分ほど前にボトルを出しておけば温度が上がりちょうど良くなってきます。
何も厳密に温度を測って飲まなくってもその辺は結構アバウトで大丈夫です。
温度帯によって感じる味覚はかなり変わってきますので、ご自身で試してみるとおもしろいですよ。
④ グラス
皆様は自宅でワインを飲むときにはどんなグラスで試しているでしょうか?
ワインはグラスによっても大きくその味わいを変えていきます。
試したことのない方はピンとこないかも知れませんが、初めて試した人は「別のワインじゃないの?」と疑うほどに激変するのです。
グラスは大まかに2種類あるのですが、一つは「チューリップ型」で、一般的にカベルネ、ソーヴィニヨンブランなどのボルドータイプに使用されます。
もう一つはバルーン型でまん丸の形。
こちらはピノノワール、シャルドネなどを使用したブルゴーニュタイプに使用されます。
この2種類を入れ替えて飲むとカベルネは非常に渋く感じ、顔をしかめるほど。
ピノノワールは酸味が強く、酸っぱいだけの味になってしまいます。
あまり過敏になる必要性はないですが、是非、ご自宅でも試してみてください。
ご自宅ではワイングラス、ビール用のコップ、お茶碗などを用意して同じワインを試してみるとその違いがわかると思いますよ。
最終回は何だか難しい事になってしまいましたが、最初からのお話し通り、「ワインは飲んで美味しく、楽しければよい」。
ワインは何も特別な知識でも勉強でもありませんし、難しく考える物でも高級なものでもありません。
これらを簡単にでも読んでワインを購入するときに「そうだこんなこと書いてあったな」なんて思い出していただければ幸いです。
| 固定リンク
「ワイン」カテゴリの記事
- ボルゲリ合同試飲会(2008.01.17)
- こいつはやばいぞ!本家を超えるニューワールド(2007.12.07)
- 最近のお気に入りブルゴーニュ、ルシアン・ミュザール(2007.12.07)
- 怪獣じゃないよ!ビオだよ!ボルクドドン!(2007.12.07)
- わかる人にはわかるスーパースパニッシュ!(2007.12.07)

