那須ワイン -NASU WINE-の進化
今日は朝からワインのインポーター各社に那須ワインでお馴染みの渡邊葡萄園醸造が加わった試飲商談会に出席してきました。
醸造家の渡邊嘉也さんと会うのは半年以上振りでしたが、お元気そうで何より。
でも、もう今年の造りが本格的に始まっているという中での東京出張でちょっとお疲れ気味かな?
それでも渡邊さんは元気に現状をご説明いただきました。
ここで「那須ワイン -NASU WINE-」をご存じない方のためにちょっとだけ説明。
渡邊葡萄園醸造の現当主であり、醸造家である渡邊嘉也さんはボルドー大学を出た後、ボルドーの各シャトーでワイン造りに従事し、ボルドーの第2級格付けシャトー、シャトー・ピション・ロングヴィル・ラランドの7人の醸造家の内の一人に抜擢され、数ヴィンテージを造り上げた後にピション・ラランドの運営する注目のシャトー、ベルナドットの立ち上げの中心となり、かのジャン・リュック・テュヌヴァンのもと、今をときめくシンデレラワイン、シャトーヴァランドローとマロジャリアの醸造を担当していたという世界最高レベルのワイン造りの経験を持っています。
日本人醸造家でこれ程までのワイン造りの経験を積んでいる人は他にはいませんし、その技術というものはずば抜けており、「本当のワイン造り」を知っている唯一の日本人醸造家と言っても過言ではありません。
そんな渡邊さんが新しいヴィンテージを発表するというので楽しみにしていました。
今日はメルローがメインなのでこのワインに絞って御紹介。
まずは2002年。
このヴィンテージがファーストリリースでまだ樹齢も低かったために以前から何度か口にする度に何か物足りなさを感じており、熟成の期待もしていなかったのが正直なところ。
しかし今日飲んでみたら非常に良い!
複雑味も出てきてバランス良い骨格も生まれている。
今までには感じなかった魅力が溢れており、渡邊さんの目指している「骨格があり、複雑でありながらも飲みやすい古典的で本来あるべき」のボルドーの味わいにしっかりとなっている。
これには正直、驚いた。
お次は2003年。
こちらは当店でもストックがあるが、今が飲み頃。
バランスが良くなっており、特出していた強さが収まり食事と楽しみたい一本。
手間暇を掛けて料理を作ってゆっくり夫婦で楽しみたいワインですね。
お次は2004年。
やはり垂直でテイスティングしていくと葡萄自体のポテンシャルが上がっていることが良くわかる。
2004年は出来も良かったこともあるが、力もありまだまだ若い。
しかし、香りも味わいをしっかりとしているので現状でワイン単体でちょっとチーズをつまみたくなるような感じの出来映えです。
2005年も非常に濃い仕上がり。
以前にワイナリーで樽からテイスティングさせていただいたが、やはり力強く、まだまだ飲むのにはもったいないかな。
ゆっくりと熟成を待ちたい。
2006年は初お披露目。
実は昨年のこのヴィンテージは那須ワインにとって非常に厳しいヴィンテージだった。
ほとんど実らず、極わずかな収穫量から造られたワインだが、こういったときにこそ、いわゆるバッドヴィンテージの時こそ醸造家の真価が問われるとき。
これは世界中のワインに言えることだが、ワインでは「良い年」、「悪い年」という評価があり、それによって価格が大きく変動している。
しかし、これらは非常に大まかな目安であって、現実には「良い年」だから「良いワイン」。「悪い年」だから「悪いワイン」とは限らない。
ご承知の通り、ワインは原料である葡萄の出来映えが、ワインの出来映えを決める。
良い葡萄が採れた年にワイナリーが良いワインを造るのは当たり前のことであるのだが、悪いとしにこそ素晴らしいワインを造り出すことのできるワイナリーこそ、本当に素晴らしい生産者だと思っています。
近年ではボルドーで言えば2000年、2003年、2005年などが良い年とされており、ワインの価格も到底、私達の手が届く物ではないほどに値上がりしていますが、実際にこれらのワインを飲んでみて思うことは「葡萄に頼って」造られたワインが多いと言うこと。
実際に葡萄の出来映えが良かったのでそれで構わないとも思いますが、これらのヴィンテージは大変暑い年で、特に2003年などは夏のパリで多くの死者が出たほどの猛暑。
こういった年は糖度が非常に上がり、アルコールも高く、濃いワインが造り出すことができるのですが、その分、酸度が低くなり、長期熟成には向きません。
何年もの「熟成」という時の流れが必要な伝統的なボルドーワインには逆に厳しいヴィンテージでもあるのです。
しかし、近年では長くストックすることは経費上、無駄であり、早く飲めるタイプのワインの方が好まれるという傾向が世界中に広がっており、力強い果実味に溢れ、パンチのある味わい、そして若いうちからタンニンが柔らかく渋くない。というワインが世界的に好まれ高く評価されています。
世界的なこの傾向故に最近ではバッドヴィンテージはソムリエ達からでさえ見向きもされないことが多いのですが、実はこういった悪い年に生まれる本当に素晴らしいワインという物は多く存在します。
悪い年は悪い年で長期熟成に向くワインを造り出すことは難しいのですが、逆に普段、長い熟成を要する生産者のワインなどは早いうちから楽しむことができ私達消費者からすれば手頃な価格で手に入れることができます。
また、悪い年こそ良いワインを生み出す生産者達もいます。
その裏には大変な努力があるのですが、そういった経験と努力により生み出されるワインは時にかつてないほどに感動的なものとなり得ることがあるのです。
今回の那須ワインの2006年にもその感動を感じることができました。
2004年や2005年のような長期熟成に耐えうる感じはしませんが、今から数年内に飲むには非常に美味しく、飲み手によっては逆に樽のニュアンスや骨格とタンニンのバランスなどは美味しく感じるかも知れません。
「悪い年」に「良いワイン」を造る。
醸造家 渡邊嘉也さんはそれができる数少ない生産者だと確信しました。
那須ワイン-NASU WINE-販売ページ:http://yamazakiya.biz/nasuwine.html
那須ワインを後にし、他のブースを回りましたが、今回はオーストラリア、アメリカ勢が良く感じられました。
中でも注目したのがニューヨークワイン。
当店では10年来、細々とニューヨークのワインを扱っていますが(常連さんでもほとんど知らないと思う)、最近、ニューヨークワインの品質も更に上がり、生産者も増え、注目を浴びています。
今回、そんなニューヨークワインの専門輸入業者が出展していたので、全アイテムをテイスティングしたところなかなかおもしろい。
こちらは近日中に御紹介できると思います。
後はオーストラリアワイン。
当店のオーストラリアワインの取扱いはオージーワインファンにはオージーぽくないとお叱りを受けそうなラインナップですが、今回見つけたのは結構、オーストラリアしているかな。
値段も手頃でいい感じ。
こちらはまだ御紹介までに時間が掛かるかも知れません。
いずれにせよお楽しみに。
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