以前からお伝えしていた「鍋島米」の「鍋島」がやっと入荷しました!
(佐賀県鹿島市・富久千代酒造)
古代鍋島米仕込み『鍋島(本丸)』
720ml ¥2,625(税込)
かつて日本に存在していた「鍋島米」を復活させ「鍋島」を造ってみたい。
そんな孤高の天才・飯盛直喜氏の思いからこのお酒の酒造りは始まった。
(以下は飯盛さんから届いたお手紙)
夢に日付を 第1章 「鍋島」米との出会い
2005年春、「鍋島」と言う江戸時代ごろの品種の米が存在しているのがわかり、大変な驚きと同時に、なんとか手に入れその米で感動できる「鍋島」を造りたいとの夢を思い描きました。その夢の実現に、知り合いのご苦労があり、わずか7グラムではありますが入手することが出来ました。そしてこの米をご縁のあった無農薬の農家さん太田政春氏と佐賀県の農業試験所でそれぞれ増やしていただきました。(種が手元に届いたのが遅く田植えが遅くなり心配しましたが台風の影響も少なく無事自然の恵みを受け取ることが出来ました。)
昔の品種らしく稲の高さは99.2cmと高く非常に倒伏し易い品種のようです。
夢に日付を第2章「鍋島」米の基礎作り・消費者の皆様と共に
2006年6月、太田政春氏には引き続き本格的減農薬で米作りをしていただき、その「鍋島」米で「鍋島」の酒造りを計画しています。
また、この新しいモノ創りの試みに消費者の皆様にも参加していただこうと農家さんとは別の場所で米作りを行うことにしました。
少ない種籾を農家さんと分け、私たちは一粒ずつポット苗に蒔いて苗造りを行い、青々とした苗(中苗)が出来ました。
6月 田植えそして実りの秋へ。
「雨にも負けそうになった。風にも負けそうになった。」
田植え。大雨洪水警報の最悪のコンディションの中、総勢60人近い家族連れに集まって頂き、田植え開始。無口になるぐらいの雨。子供たちの頑張りに、雷さんも遠くでゴロゴロ・ピッカ・・・
昼からは、有明海の干潟体験。子供たちにとって本日のメインイベントのはずがまさにバケツをひっくり返したようなド、ド、どしゃ降り。海浜公園前の国道は、既に半分は冠水状態。全員非難するように家路へ。
翌日田んぼでは、みんなの力が、思いがのり移ったのか、多少曲がりくねってはいますが、何とか大地にはりつきそうだ。
7月には、あぜ道や、田んぼの中の雑草を取り。他の稲に比べ青々として明らかに背が高い。その分やや不安材料ではあるが、無事に成育中。
出穂期も過ぎ、これからと言うときに大型の台風直撃。しかも被害の拡大する、西側を通過するコース、通過する時間帯は、有明海は満潮。最悪の事態だ。
台風も近づき、風も強くなってきたので暗くなる前に田んぼを見に行って
その光景に愕然としました。なんと周りの稲は立っているのに、鍋島米だけが既に倒れていたのです。予想はしていたにしても、ここまで弱いとは・・・
ところが座り込んでしばらく見ていると、背の高い鍋島米だけが、身をかがめ風を避けているように見えてきました。(他の短かんの稲たちは、しっかり立って入るが、もろに風を受け、籾同士がこすれあい吹き飛ばされそうに見えてきました。)鍋島は昔の品種で、自然の摂理のままに、後に種を残すための姿に見えてきました。
台風の通過した後、田んぼを見に行くと鍋島だけが、深い緑色と、雨に濡れた稲穂の沈んだ色が重々しい、根元からぼっくり折れ、まるでじゅうたんを敷いたようです。急いで農業指導員さんと農業試験所に相談したところ、稲を一株ずつ起こして、4~6株を穂の下のほうをわらで結びピラミッドのように立てるしかないとの事。このままでは、鍋島米の質も落ちるし、下手したら発芽して駄目になるとのこと。
あの雨の日の苦労を、みんなの思いをここで途切れさせるわけにはいかない来年の種籾としてそのDNAを伝えていかなければならない。
急いで、鍋島特約店のメンバーに連絡、シルバー人材センターにもお願いし作業開始、背の高い鍋島が幾重にも重なり、時間がかかる。炎天下のなか、5日もかかり何とか形にはなった。鍋島米のダメージは大きい。
10月。稲刈り予定していた日は小雨模様。佐賀のメンバーは、次の週に変更。既に出発していた、福岡からのメンバーはこの日に決行。刈り取った鍋島は、蔵に干すことにしました。
次の週、佐賀からのメンバーで刈り取りスタート。秋晴れだ、主催者側だけど、楽しくて仕方が無い、1時間もしないで子供たちは、蛙、虫に興味を持ち、はかどらない作業に、稲刈りマシーンの様に動く親。見ているだけでも楽しい。
次は、刈り取った稲の脱穀、全員で稲をコンバインまで運ぶ、みんな笑顔だ。
脱穀した稲をベッドに寝そべる子供。その青い大きな空、稲の匂い、心の片隅にでも覚えておいて欲しい。
全ての作業が終了し全員集まった時、全員の方から拍手が起こった。今回で4回目になる稲刈りだが、ここまで感動したことはなかったし、改めて多くの方の協力に感謝したい。できばえは決していいとはいえないが収穫の喜びを全員で感じた時でした。
そして、問題の等級検査だ。地元JAの関係者の相談に行ったが、検査にはあまり乗る気ではないのが伝わってくる。「よくわからない」とか、「難しい」などネガティブだ。こんなことは書きたくないのだが。
捨てる神あれば、拾う神ありで、名前は聞かなかったが、真剣に相談に乗ってもらった。何とか検査までこぎつけたが、検査員の方にとっても迷惑なのは承知の上でのお願いだ。何故なら初めて手に取る米で、比較の仕様が無いのだ。今回は、その他のうるち米で検査していただいた。結果は等外だったが仕方ないことだ。(お酒の世界では、等外の米で酒を造っても特定名称(純米酒などの表示が出来ず。純米スペックで造っても、普通酒扱いになってしまいます。)
検査していただいた関係者の皆様には心よりお礼申し上げます。
夢に日付を 第3章 消費者の皆様と共に酒造りに取り組み
1月28日鍋島米を使い「鍋島」の仕込みを行いました。私達の田んぼから3俵、農家さんから6俵の収穫で、これを精米し、300kgの白米になります。総米300㎏の仕込みは大変小さな仕込みで、ちなみに大吟醸や純米吟醸で600kg仕込みです。
当日は、麹米と蒸した米をタンクに仕込む作業と、鍋島米の洗米を行いました。仕込みが小さいので仕事量は少ないのですが、多くの参加者があり、全てに係わることが出来ませんが、それぞれ役割を果たして頂きました。発酵の管理はこれだけを冷蔵庫に入れ温度管理いたしました。箱入り娘のよう大切に。
40日後には、無事搾ることが出来、瓶詰めして低温で、熟成させました。ラベルデザイン、化粧箱など時間がかかりすぎましたが、
平成19年9月11日正式発売
こんな思いからこの「鍋島」は生まれた。
私はこのプロジェクトが始まったときに非常に興奮したのを覚えている。
そして今年の春には初めてその酒を口にした。
何とも言えないその旨さは一生忘れることのできないもので、まだかまだかとこの酒のリリースを待ちこがれていました。
今月に入り、飯盛さんから発売の連絡をいただいたのだが、発売日の11日をすぎても入荷しない・・・
どうも、新聞などに紹介され対応にてんやわんやだったらしい。。。小さな蔵ですからね。
でも、無事に本日入荷で、やっと皆様に御紹介できます。
かつて飯盛さんが先代の吟醸酒を飲んで「美味い!」と思ったその味。
その味わいをイメージして仕込まれたそうで、決して香りにこだわらない「旨さ」のある純米吟醸酒タイプに仕上がっている。
古典的な懐かしさを覚える吟醸酒という方向性は復活した古の米「鍋島米」の持ち味を表現するには最高の選択だったと思える。
香りは穏やかながら他には感じたことのないゆったりとしながらもしっかりと主張する酸がこの酒の個性とアイデンティティを確立しており、ふくらみのある味わいはゆっくりと時間をかけて楽しみたいもの。
まだ、試していないがお燗も美味いはずだ。
先程、「純米吟醸タイプ」と書いたが、この酒、実は「鍋島米」が等級外格付けとなってしまい「吟醸酒」を名乗れないのだ。
つまり、法律上は「普通酒」という最も下の等級になってしまうのだが、しかし、その出来映えは誰が飲んでも文句の付けようのない「純米吟醸酒」。
イタリアワインの世界で言えば「スーパー・ヴィーノ・ダ・ターヴォラ(すごいテーブルワイン)」。
イタリアでは有名なキャンティクラシコやソアヴェなどはワイン法で細かい規定があり、生産者によっては品質を追求していくことで結果、規定外となってしまい「キャンティクラシコ」などの名前を名乗れなくなってしまう。
そんな法律に反抗し、誰もが知るワイン名を名乗れなくとも品質の高さで勝負し、最も下の格付けの「テーブルワイン」の格付けながらも世界有数の高い評価を受けているものが、数多くあり、それらは「スーパー・ヴィーノ・ダ・ターヴォラ」と呼ばれ、世界中のワイン好き達を魅了している。
私は常々、日本酒の世界で純米酒だからこういう内容でいくら、吟醸酒だからこういう内容でいくらという慣習の元に値付けや等級付けが行われ続けていることに疑問を持っていた。
つまりは普通酒でも本醸造でもそれだけの手間とコストを掛け、たとえ価格が高くとも品質で飲み手を納得させるお酒があっても良いのではないかと思っていたのだ。
品質や苦労、コストから考えると今回の「鍋島」は安いというか安すぎる。
これは「鍋島」を多くの人に飲んでいただきたいという飯盛さんならではの考えだと思うが、日本最初の「スーパー・ヴィーノ・ダ・ターヴォラ」として日本酒に新たな風を巻き起こすことを期待したい。
ちなみに「鍋島本丸」という名前でも今回はリリースされているが、「本丸」と付くのは九州限定ラベルであり、本州ラベルは「鍋島」という酒名でリリースしています。
700本のみの限定生産で、当店には12本のみの入荷ですので、ご購入はお早めに!
「鍋島」販売ページ:http://yamazakiya.biz/nabeshima.html