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これで良いのかブルゴーニュ!?

先日、ブルゴーニュのワイン商「ルモワスネ・ペール・エ・フィス Remoissenet Père&fils」が来日してセミナーを行うというので行ってきました。

ルモワスネは19世紀に創設された由緒あるワイン商で3代目当主の確かな眼力と品質のためには努力と金を惜しまないその情熱はフランス人なら誰もが知るところ。

彼の造り出すワインは飲み頃になるまでは絶対に蔵から出荷しないためにセラーには50年代、60年代のワインも当たり前に大量ストックされています。

2005年にはその三代目ローラン・ルモワスネよりアメリカの資産家エドワード・ミルシュテイン氏へ経営を譲り、副社長として名門ルイ・ジャド社で重役を務めたベルナール・ルボルト氏、醸造部門ではこれまた名門ジョセフ・ドルーアンの醸造責任者を30年間務めたロランス・ジョバール女史の娘さんクロディー・ジョバール氏を迎え、ルモワスネ氏の意志を尊重し受け継ぎ、更なる品質向上に向かっています。

今回は副社長のベルナール・ルボルト氏が来日しセミナーを行いました。

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彼等のワイン造りはネゴシアンといってもA.Cブルゴーニュとごく一部のスタンダードクラス以外はすべて自家醸造で、小さな面積ですが素晴らしい畑も所有しています。

そして、ワインの買い付けにおいてもフランス一とも言われる眼力とテイスティングで一番よいキュベを持っていってしまうとルモワスネの凄さは有名。
特上のキュベよりつくられたA.Cブルゴーニュですから、素晴らしいに決まっています。

自家醸造においても古典的なブルゴーニュの製造方法そのもの。

樽香が付きすぎないように新樽のバリックはほとんど使わず古樽でゆっくりと熟成させていきます。

私は個人的に最近のブルゴーニュのワインには「ブルゴーニュらしさ」というものが感じられず、かつてワインの勉強を始めた頃に感じていたブルゴーニュの美味しさを感じさせてくれるワインが少なくなっていることに寂しさを感じていました。

ブルゴーニュに限らず、どの生産地でも同じですが、色が濃く、果実味がドカンとあり、熟成させずとも若いうちから楽しめるワインが現代の主流。

こういったワインがワイン評論家達に高得点を付けられ価格も上がっていくので市場的にはしょうがない部分もありますが、反面、伝統的なワインが低い評価をされてしまうのは非常に心苦しいところ。

特にブルゴーニュのように優雅で美しさに満ち溢れたワインに関してはそう感じてしまいます。

テイスティングの時間になり、6種類のワインが目の前に注がれました。

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1,ブルゴーニュ・ブラン ポサンジェ’99 Bourgogne Blanc Posanges1999
通常、A.Cブルゴーニュのレンジというとマコンなどのブドウも混ぜてしまうのが常なのですが、これはコート・ド・ボーヌのブドウのみを使用。
ブルゴーニュらしい純潔なシャルドネで透明感と生き生きとした輝きはこのレンジで8年も経ったワインとは思えません。
香りからハチミツやハーブの複雑さを感じ、含むと丸くなり始めた美しい酸がキリッと全体を引き締め余韻にほのかな樽香とわずかな苦みが効いています。う~ん美味しい!

2,シャブリ アミラン・ヴェルノン’97 Chablis Amilal Vernon'97
こちらも10年経ったとは思えない若々しさが色合いからも感じます。
ベルナール・ルボルト氏はこのワインが注がれたときにこう言いました。
「シャブリは本来、最低十年は寝かせてから飲むものと言われてきましたが、現代にそういったシャブリはいくつあるのでしょうか?先日、アメリカのワインバーを訪れた際に頼んだシャブリがおかしかったので、スタッフにこれはフランスのシャブリか?と聞くと彼はシャブリはフランスでも作っているのか?と答えられ失望した・・・かつてフランス人の誇りであったシャブリは名前だけのものになってしまった・・・本当に悲しいことだ」
※アメリカではシャブリという名前だけを勝手に付けたワインが以前より存在し、その品質は非常に低い物。当然シャルドネでもなく、これには赤やロゼもあります。
日本でスパークリングワインをすべてシャンパンと呼んだり、酒精強化をポートワインと呼んだりするのと一緒ですね。
確かに私がワインを勉強し始めた頃はシャブリは熟成させてから飲むものでした。
しかし、いつからでしょうヴィンテージが新しいものが好まれるようになってしまったのは。
このシャブリは本物のシャブリ。爽やかさの中に溢れんばかりのミネラル感があり、クリーンな厚みを感じさせるのです。

3,シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ クロ・サン・ジャン'93 Chassagne Montrachet 1er-Cru Clos Saint Jean 1993
こんなの当然美味しいに決まっています。
説明不要。

4,ブルゴーニュ・ルージュ ポサンジェ’95 Bourgogne Rouge Posanges1995
このワインが注がれたときに何か懐かしさを感じました。
そうこの色こそがブルゴーニュの色合い。
ベリーを感じさせる美しいチェリーレッドにわずかにオレンジがかった何とも言えないこの色。これこそがブルゴーニュワイン!
と思っているとまたまた副社長が「どうですか?これが本当のブルゴーニュワインの色合い。つまりブルゴーニュレッドです」と語り始め、私は何だか嬉しくなってきました。
この後、彼が語ったことも私が日頃、人に言っていること。
「最近のブルゴーニュ、つまりはピノノワールですが、その多くがこのような淡い色合いではなく、グラスの向こうも透けて見えないぐらい濃く、レッドどころか黒くインクの様な色合いの物が多い。味わいも果実味のみで熟成を必要とせず、そういったワインは私はブルゴーニュのワインとは思えない」
私も同感です。
このワインにはA.Cブルゴーニュながら熟成したピノノワールだけに見られる腐葉土やなめし革、キノコの香りが伺えます。
私はこのニュアンスが大好きですし、この熟成感はブルゴーニュのワインだけが持ち得る物だと思っています。
濃いピノノワールはニューワールドに任せておいてブルゴーニュの生産者達はこういった伝統的で世界的に類を見ない素晴らしいワインを造り続けるべきだと思っています。

5.サントネイ プルミエ・クリュ ラ・コム’85 Santenay La Comme1985
サントネイはあまり有名では無いために結構手頃な価格で高品質なものが見つかり私も好きなワイン。
しかし、ビックリするほど凄いワインが見つかる場所でもないところですが、このサントネイにはビックリ!
22年経った今もフレッシュで果実味と熟成感が混じり合い素晴らしく美味い!
こんなサントネイあるんだとこの日一番の発見でした。

6,ヴォーヌ・ロマネ レ・シャウム'67 Vosne Romanee Les Chaumes1967
何と40年前のワイン。
この年は全体的によくなかった60年代の中でもゴクゴク平凡な年のために皆が忘れてしまっているヴィンテージだとのことですが、前当主のルモワスネ氏がこのヴィンテージをえらく気に入り、当時、大量に買い占めたとのこと。
このヴィンテージのワインを大量にストックしているのはルモワスネ社だけとのことでした。
しかし、そんなごく平凡なヴィンテージにも関わらず、このワインもやはり若々しい!
40年なんて本当に経っているの!?外見からはまだ10~15年といった感じに見えますけど・・・
飲んでみると本当に若々しいフレッシュなベリーも感じられる。
今からが本当の飲み頃という感じで、ワイナリーの見解でも後十年は飲み頃が続くとのこと。
やっぱり凄いぞルモワスネ!

当店ではまだ扱いがないですが、近いうちに絶対、品揃えしたい生産者ですね!
要チェックです!

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