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夏の飲み物を考えてみる(後編)

私の暮らす酒業界では、この時期になってくると「夏にはバッチリ売れますよ!」という営業さんの売り込みが多くなってきます。

どういった商品が多いかというとビールやチューハイ、サワー類、スパークリングワイン、軽めの白ワイン、生酒、トロピカルフルーツのカクテルなどです。

私がこの業界に入ってから10年が経ちますが、今も昔もこの内容は変わりません。

皆様は夏に飲みたいお酒というと何が浮かぶでしょうか?

大抵は前述のような商品が多いのではないでしょうか?

一般消費者がすぐに浮かぶ商品をメーカーが販売店に提案してもそれは当たり前のことすぎて、商談する時間がもったいなく、ばかばかしすぎるように思え、もっと変わった提案をできるメーカーはいないのかと毎年思い、よく営業さんにこんな質問をぶつけてみます。

例えば「何故、夏だから軽い白ワインなのか?」と

そうすると大抵はこう答えます。

「暑いからスッキリしたものがいいじゃないですか?」

私は「じゃあ重たい赤ワインは夏には飲みたくならないの?」

営業「そりゃそうでしょ!」

私「でも、夏になるとスタミナつけるのに鰻食べたり、焼肉なんかで肉食べるじゃない?そうしたらやっぱり赤ワイン飲みたいじゃない?」

営業「・・・そうですね」

こんなやりとりがこの時期にはよくあります。

私が思うにメーカーサイドはイメージ先行で、実際の生活のシチュエーションを全く無視していることが多いように思えるのです。
そしてお客様もそのイメージについて行ってしまっているだけのように思うのです。

そこで今回は「夏の飲み物を考えてみる」として普段、私が思っていることを書いてみようと思ったのです。

前編で書きましたが暑い夏にはやっぱり冷たい飲み物が恋しいもの。
本当に美味しいですよね。
でも、冷たいビールを開けるお宅のシチュエーションってどんな感じですか?
都心にお住まいの方々はクーラーを強くかけお部屋をかなり冷やしている方が多いのではないでしょうか?

今回、最も問題にしたいのはこの「クーラー」という人工的な温度管理について。

ちょっとだけ難しい話になってしまうかも知れませんが、この世にあるものには必ず「陰と陽」があり、それぞれに分けられると思います。つまりは+(プラス)と-(マイナス)。ここのでは温めると冷やすで考えてみます。

例えば色でいうと赤は暖かい、青は冷たい。味の分類でいうと甘いは暖かい、苦いは寒いなど、全ての物においてレベルは異なってきますが、陰と陽のどちらかに分けられることができるのです。

そして私達の体は「陰と陽」のどちらに傾いていてもバランスが取れず、中庸の状態がベストなのです。

ですから、体が冷えている場合は「陽」のものを熱い場合には「陰」のものを体に与えてあげ、中庸の状態に持っていってあげることが大切なのです。

お酒の話に戻りますとアルコールという物は「陰」に分けられるもので、つまりは体を冷やすものだと覚えておいてください、

そのまま飲んでしまうと体を冷やしてしまうのでお燗にしたり、お湯割りにしたりとお酒を温めることで、「陽」の要素が加わり、「陰」から「中庸」へ変わっていくのです。

つまり、お燗はお湯割りという飲み方は人間が考え出した素晴らしい飲み方で、体に優しいのです。

日本では寒い北が日本酒文化、暑い南は焼酎文化となっていますが、今回は特に南に注目してみましょう。

暑い鹿児島などで焼酎を飲むのは高いアルコール度数で体の体温を下げてあげるという意味があります。
しかし、ロックなどで飲んでしまうと更に「陰」の力が強くなり、急激に体を冷やしてしまうことになるためにお湯割りにしてアルコール度数を下げ、ゆっくりと体の熱を下げてあげるようになっているのです。
ですから、夏に九州を訪れた方ならばご存じと思いますが、彼等は夏でも焼酎のお湯割りを楽しんでいるのです。

北においても同じ事で寒い中でお酒を冷やして飲んでしまうと更に体を冷やしてしまうので、お燗をして体に優しい状態で飲むということなのです。

でも、極寒のロシアや北欧の人はウォッカを飲むじゃない?という声が聞こえてきそうなので、書いておきますが、「寒いところでアルコール度数の高い物を飲んでは絶対にダメです!危険です!」

彼等は何も寒い外でウォッカを飲むわけじゃありません。
ちなみに国によっては夏以外に屋外で酒を飲んではいけないという法律があるところもあります。死の危険性が高いからです。

極寒の地だからこそ、部屋の中は驚くほど暖かいです。北海道でもそうですよね。
そういった暖かな部屋があるからこそアルコール度数の高い飲み物を楽しめるのです。

よく「お酒を飲んで体を温めなさい」という言葉を耳にしますが、あれは間違いです。
冷え性の方にお酒を薦めるなんてもってのほか!
温めるのであれば体を温める卵を入れ「玉子酒」を薦めるべきなのです。
あれは本当に先人の知恵による飲み物で、良い効果があるそうです。

と、だいぶ前振りが長くなってしまい久々に長文となってしまいましたので、肝心の「夏の飲み物」の御紹介はこの後、後編の後編で

付録:玉子酒の作り方

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