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九州訪問記~その壱~頑強な酒「繁桝」

今日はスゴイ風邪ですね!当店の目の前は京王バスの大きな車庫が広がっているので、吹きッさらし状態で台風並ですが、本日は焼き立てのパンが各種店頭に並んでおりますので、気合いを入れてお越し下さい。

今年の冬は変な物で、暖かいのは楽なんですが、風がとにかく強く、人生の中でここまで風が強い冬は初めてのような気がします。

こういった妙な天気の年が年々と多くなり、農作物をはじめ自然の恵みに異変が起きているのが心配です。

酒造りにおいても暖冬の時には発酵の温度コントロールが難しく、東北の蔵でも普段は蔵が雪に囲まれ自然の冷蔵庫の中で酒造りを行っているようなものなのですが、今年はそんな地域でも雪が少なく、製氷器がフル活動しています。

先日、今年の大まかな新酒の出来映えをこのブログで御紹介いたしましたが、その時の印象は一月頃の印象だったのですが、ここのところ非常に暖かいためにその印象が変わってきました。

どうも溶けすぎてしまう蔵が多く、現場を見るとかなり苦労されている蔵が多いです。

新酒としては柔らかく好印象ですが、熟成してからが心配です。

でもそんなときが杜氏さんの腕の見せ所!当店の取扱いの蔵はこんな気候の中でも皆、かなり良い出来で仕上がっています。

春を感じさせる新酒を数々を是非お試し下さい。

前置きが長くなってしまいましたが、全国で酒造りが最盛期となっている中、「旨いもの」を目指して九州に行って参りました。

まず訪れたのは「日本茶」の産地として有名な福岡県八女市にある蔵元「高橋商店」さんへ。

造られるお酒は「繁桝(しげます)」という銘柄で、関東ではほとんど馴染みがないのですが、福岡では絶大な人気を誇り、生産量2000石程の少し少な目の中堅蔵です。

当店ではまだ取扱いはないのですが、知り合いの酒屋さんで飲ませていただきその仕事の丁寧さが感じられる頑強な(私はよく酒が強いなどと表現しますが、味が濃いという意味ではありません。腰抜けではなくしっかりとしているという意味です。)酒質に感動したお酒で前々から蔵元に行ってみたいと思っていました。

出迎えてくださったのは田代さん。

彼は以前に当店にもお越し下さったのですが、話していると何と当店経営のレストラン、ラピッコラ・ターヴォラのスタッフのご親戚!このスタッフはマッシモがお休みの時にピッツァ職人を務める通称”ロビン”君。腕も良く、当店に重要なスタッフです。お世話になっております。

まずはその田代さんと九州市場と本州市場との違い、現在の日本酒業界について等、色々とお話ししてからいよいよ蔵内へ。

2007_2_11_6 まず最初に案内されたのが、蔵の心臓部である麹室。

室の入口に掛かっている写真の稲がこの蔵の酒の原材料。

すべて地元産で現在は山田錦と雄町をメインに酒一献とレイホウを使用していますが、酒一献が良いので、レイホウを外し、三種類に絞っていくと言うことです。

内部ではかなり手の込んだ麹づくりが行われており、写真も撮らせていただきましたが、今回、写真の掲載は自粛します。

2007_2_11_1 お次は仕込み蔵。

中は空調がされているわけもないのですが、自然の空調により非常に涼しいというか寒い。

今回の記事での冒頭にも書いたように全国的に暖冬に悩まされているのですが、九州で初めて訪れた酒蔵で、この地の凄さがわかりました。

この日も含め滞在中は20度前後あり、非常に暖かく町中では半袖姿も見かけるほど。

今年は特別異常ですが、九州はもともと東北などと比べて暖かい中で酒造りをするのが当たり前で、昔の人の知恵で、蔵もその自然環境に適応するように建てられているのです。

南国の人にとっては当たり前なのですが、本州、特に東北地方の人にとっては空調もなしに自然の力だけで外気に左右されず低温を保つというのは本当に驚きです!

だからこそこんな暖冬の時でも酒の出来映えが左右されないのだと確信しました。

恥ずかしながら私はてっきりどこの蔵も冷蔵庫を活用しているものだと思いこんでいました。。。

後日、ご案内する鍋島の蔵もそうでしたが、昔の人の知恵はすごいですね。

そういえばこの蔵でおもしろかったのが発酵タンク。

写真を見ていただくと後列のタンクは木桶の中に入っているのがわかります。

「これはディスプレイ用の飾り付けですか?」と訪ねると、「いえいえ、木桶とタンクとの間に空気の層ができ、温度が一定に保たれるのですよ」との答え。なるほど!

2007_2_11_2 またまた驚きなのがこの「斗瓶」の数!

蔵内にはこんなもんじゃないのですが、驚くことに大吟醸クラスは結構な数を仕込んでいるにも関わらず、すべて斗瓶で採るとのこと。

この蔵の大吟醸粕はメチャクチャ旨いと評判ですが、納得です。こんなに手間暇掛けて採算あうんですか???

2007_2_11_3 こんな採算度外視の蔵ですからもちろん搾りは槽しぼりです。

もう何も言うことはありませんよね!?

2007_2_11_4 最後に案内されたのが精米所。

もちろん自家精米でしたね。

2000石蔵ながら2基も搭載しています。ちょっと驚き。

2007_2_11_5 さてさてお待ちかねの試飲です。

この日はお世話になっている片倉さんに運転していただいたので、心おきなく利き酒できます。

まずは新酒から

やはりあれだけ手間暇掛け、しっかりとした麹造りをしているので、新酒の状態では非常に硬い印象なのですが、やはり旨い!

旨味やミネラル感が凝縮された感じで、後口にわずかな苦みが感じられましたが、料理の組み合わせによってこのアクセントも心地よく、新酒の状態でも非常に楽しめる一本です。

やはりこの蔵の酒は熟成して本領発揮と感じたときに登場したのが古酒。

新酒と比べ非常にまろやかで旨味が出てきているが、三年以上の古酒にも関わらず、老ね香(熟成香)やトロリとした部分などはなくまだまだ若々しい印象。でもこの辺からが旨くなっていく感じがしました。いったいいつぐらいから飲み頃を迎えるのでしょうか・・・?

造りを見て、酒を飲んだ感想はワインの世界で言う伝統的シャトーやドメーヌに通ずる物があると思います。

いくらでもコストも掛けずに現代的で早くから楽しめる酒はいくらでも造れるのですが、それを良しとせずに妥協無き徹底した手づくりと情熱から生み出される酒はゆっくりとした時間が必要になってくる。

回り回る忙しい現代の中で、こんなお酒の存在は必要ではないでしょうか?

当店でも是非取り扱ってみたいですが、お客様の理解が必要なお酒です。

どうでしょうか?お客様

九州訪問一日目の午前中だけでこんなに長くなってしまいました。

九州訪問記は驚きと新たな発見の連続でしたので、まだまだお伝えしたいことが盛りだくさんです。

次回からは「本当にはなわの世界だった!」佐賀県訪問記をお送りいたします。

お楽しみに!

(ヤマザキヤからのお知らせ)

長野県上伊那郡辰野、小野酒造よりお待ちかねのあのお酒が入荷しました!

「夜明け前 純米吟醸生一本しずく採り}

この時期だけに味わえるフレッシュ&フルーティーの極みです。お早めに!

「夜明け前 にごり生酒」も残りわずかとなってきました。

長野県の地酒「夜明け前」御購入ページhttp://yamazakiya.biz/yoakemae.html

今年は新酒の入荷が多いのでホームページ上に「新酒コーナー」を設置いたしました!

しぼりたて新酒のフレッシュ&フルーティーな味わいを御家庭でもお楽しみいただくために「クール便無料、2007年新酒キャンペーン」も設定いたしました。是非、ご活用下さい。

新酒特集ページはこちらhttp://yamazakiya.biz/shinsyu.html

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