古代米より造られる日本酒の魅力とは?
昨日、当店の人気ナンバーワンである日本酒、「鍋島」の醸造元、佐賀県鹿島市・富久千代酒造の飯盛直喜氏より今年の酒造りについての報告をいただきました。
飯盛さんは当時低迷していた実家の蔵元と周りの酒屋を復活すべく「佐賀県の米と人、水、酵母、そして佐賀の自然で全国に胸を張って誇れる佐賀県の地酒を造ろう」と平成十年に新ブランド「鍋島」を設立。
わずか4年後の国際酒祭りで見事純米酒日本一に輝き、その後、東京へ進出し、当店とのお取引が始まりました。
以来、「地元佐賀県」にこだわった酒造りを徹底し、その純粋でクリアかつ華やかさと旨味のある味わいは酒通達を唸らせ全国的に引っ張りだこの人気酒へとのし上がってきました。
しかしながら今年の造りのレポートによりますと昨年は台風による塩害で地元酒米の収穫量が激減。山田錦は例年の半分、西海134号にいたっては収穫ゼロというひどい状況となってしまいました。
私は日本酒のみならずワイン、焼酎も手掛けておりますので、こういった話を聞く度に酒は「自然」があるから造り出せる物である「農産物」であると実感させられます。
日本酒や焼酎の場合は原材料よりも杜氏の技術や酒造りの際の外的環境等が、重点的に味わいを左右することが多いのですが、ワインなどは葡萄の出来がそのままワインに反映されるために最も自然に左右される飲み物だと思います。超一流シャトーのように不作のヴィンテージだからこそ素晴らしいワインを造りだしてしまう生産者もいますが、それには他には及ばぬ技術と努力が裏付けされています。日本で言えば那須ワインの渡辺さんやルバイヤートの大村さんでしょうか。
このように「酒」は自然の機嫌で左右される物であり、しかも杜氏や醸造家達は毎年、数ヶ月しか「造る」経験を積み重ねることができません。
こういったことを考えるたびに「酒」とは何て儚いものだろうとしみじみと思います。
こういった結果から頑固者の飯盛さんもさすがに今年の酒は「100%佐賀県産」を断念。
しかしながら彼は非常にポジティブに考え、新たな米を使い、新たな酒造りに挑戦すると意気込んでいます。
酒造りの天才・飯盛直喜杜氏のことですから新たな旨い酒を生み出してくれるのは間違いないでしょう!期待してますんで、がんばってください!
そんな「鍋島」より嬉しいお便りです。
前々から飯盛さんより聞かされていました古の酒米「鍋島米」を使用した酒造りの第一弾が、今月より始まるとのことです。
「鍋島米」とは江戸時代の品種で、飯盛さんが7粒だけ手に入れ、無農薬農家と佐賀県の農業試験場で少しずつ増やしてきた古代米です。
「鍋島米」は背が高く、風に弱いために栽培が難しいのですが、前述した悪条件の中でも収穫できたのは奇跡でも何でもなく、飯盛さんと農家さん達の努力の結果だと思います。
大吟醸クラスの半分という300kgの仕込みを行うというので今から非常に楽しみです。
「鍋島米」の酒に会うために来月、佐賀を訪れてみますので、詳細はその時にこのブログで、御紹介いたします。
そしてもう一つ、幻の酒米で造った新酒が入荷してまいりました。
その名は
「臥龍梅 短稈渡船(たんかんわたりぶね)純米吟醸袋吊り雫酒生原酒」
この「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」という品種は山田錦の父方の親にあたる品種で半世紀以上前に姿を消した幻の酒造好適米で、醸造元である静岡県清水市の三和酒造が一握りの種籾より契約農家で3年がかりでやっと増やしたもの。
これはその短稈渡船を55%まで精米し、臥龍梅ならではの小仕込みし、しかも袋吊りした贅沢な生原酒。
雰囲気的には山田錦っぽいニュアンスが感じられますが、新酒とは思えない柔らかくふくよかな味わいに仕上がっています。
極わずかな限定品ですので、お買い求めはお早めに!
当店で通年人気の古代米仕込みと言えば花垣と瑞冠の「亀の尾」や真っ赤な色合いが不思議なお酒、花垣 古代米仕込みなどがありますが、なぜ、皆、苦労をして栽培の難しい酒米を造るのでしょうか?
それは鍋島の飯盛さんも今回の「鍋島米」のコンセプトに掲げていますが、皆、「古きよき時代の酒」を復活させたいと考えているからだと思います。
日本酒は伝統的に造られてきた日本の「國酒」ですが、昔は当然のことながら今のような最新設備も栽培技術もありません。 ましてや冷蔵庫もなかったために現在のお酒の様にクリアで美しい酒ではなく、雑味や熟成感、酸の高さなどがあったと思います。
しかしながらこの時代の酒にはゆったりとした落ち着きや暖かさ、ふくらみがあったに違いません。
こういった日本人が忘れかけている「あたたかみ」を求め古代米復活の酒が生まれているのではないかと私は思っています。
毎日の日常を感じられるいつもの自宅のテーブルで古代からの歴史を考えながらしみじみ古代米の日本酒を飲むのも良いのではないでしょうか?
当店取扱いの古代米酒
・鍋島 鍋島米仕込み(予定)
・臥龍梅 短稈渡船(たんかんわたりぶね)純米吟醸袋吊り雫酒生原酒
・花垣 「亀の尾」生もと純米酒 米しずく
・花垣 古代米仕込み「赤い酒」
・瑞冠 山廃仕込み純米吟醸「亀の尾」
・瑞冠 純米大吟醸 伴農繁醸「亀の尾」三年熟成
・瑞冠 純米大吟醸 亀かくし五年古酒
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