ワイングラスの不思議
突然ですが皆さんはワインを飲むときどんなグラスで飲んでいますでしょうか?
そりゃワイングラスでしょ!と言う人もいればグラスなんて何でもいいからビールグラスでも茶飲みでも飲むよという人まで様々だと思います。
しかし本当に何でも良いのでしょうか?
私はよくお店に立っているとお客様より「すごく有名な高いワインを飲んだけど全然美味しくなかった」とか、例えばお客様から「酸味や渋みの少ないワインを」と言われて薦めたのに「酸っぱかった、渋かった」などといわれることがよくあります。
こういうことが起こってしまうのは嗜好の問題ももちろんあるのですが、お話しを伺っているとグラスに問題があることがほとんどなのです。
そこで今回はワイングラスの秘密を御紹介いたします。
ワイングラスにはいくつもの形が存在し、近年では様々なスタイルに合わせ次々と新作がリリースされていくのでその種類は数え切れないほどです。
では、なぜこんなにも様々な形が必要になるのですしょうか?
「スタイルだけの問題じゃないの?」とよく言われるのですが、この答えは「NO!」です。
同じワインでも様々なワイングラスで飲むことにより味わいや香りの感じ方が変わっていくのです。
例えば繊細なワインを大ぶりのグラスで飲むと香りも味も飛んでしまいますし、ボルドーワインのようにタンニン分がしっかりとした赤ワインをバルーン型のような大きなグラスで口にすると妙な渋みが出て顔をしかめてしまったりと不思議なことが多々起こります。
これらはグラス内の空気の流れと香りのこもり方や、ワインと酸素の接触による酸化の速度、ワインの形状による、口内へのワインの流れ方や舌の味蕾のどの部分に多くワインが流れ込むか等々、化学的根拠が重なり出てくるものなのですが、これらをここでは書ききれないので、今回は簡単なアドバイスだけにしておきます。
「本当に味なんか変わるのかよ」とお思いの方は試しにお持ちのワイングラスや大きさや形状の違うグラス、茶碗、ボール等で試してみると良いかも知れません。
以外とこのワインにはこのボール!なんて事があるかも知れませんね。
さて、それでは家ではどんなグラスを選べばよいか?ということですが、
ご存じの通り、ワインには赤・白・ロゼ・発泡性・酒精強化と5種類の分類に分かれており、それぞれがフランス・イタリア・ドイツ・スペイン・カリフォルニア・オーストラリア・チリをはじめアフリカやイギリス、アジアなど世界中で生産されており、更にはフランスを例に取るとボルドー・ブルゴーニュ・ロワール・アルザス・ローヌ・南西地区・シャンパーニュとそれぞれの産地があり、その中でも多種多様な個性の違ったワインが生み出されています。
そしてそれぞれのワインの個性に合わせたワイングラスが存在するのですが、毎回同じワインしか飲まないなら良いですが、色々なものを飲んでみたいとなるとその度にワインとグラスを一緒に購入しなければならないことになり、とてもじゃありませんが、そんなことができるわけありません。
そこで私がプライベートで利用しているワイングラスを紹介してみたいと思います。
僕が利用しているのはドイツのショット・ツヴィーゼルSchott Zwiesel社の物が中心で、その形の使いやすさもさることながら、このグラスに使用されている原材料は「トリタンTritan」というチタニウムとジルコニウムを原材料としたクリスタルの新素材で、「鉄より硬くダイヤモンドの輝きを持つ」というのが謳い文句。
その文句の通り、厚さも薄く輝く透明度を持ちながらちょっとやそっとぶつけても割れないので、ワインを美味しく楽しませてくれるだけではなく、経済的にも優しいグラスなのです。しかも価格は1,300~1,500円位なので非常にお求めやすいと思います。
私はここのディーバDIVAシリーズを中心に奥の左から
・DIVAボルドー
これは縦に長いグラスで、その名の通りカベルネ主体のボルドータイプのワインに使用しており、力強くアルコール度数の高いものは長いグラス面を流れることで、なめらかな味わいとなり口中に流れ込んできます。
・DIVAブルゴーニュL
これはボウル型のかなり大きなグラスで、その名の通り、ピノノワール主体のブルゴーニュワインに使用します。上部がすぼまっているために球体の中に繊細な香りをこもらせ香りを捉えやすくし、丸くなったグラスの側面を通り、すぼまった上部から口にゆっくりと流れ込み、酸味を和らげ舌先で甘味を感じさせてくれます。
・MIKASA OENOLOGYタニック
これはまだ新しいグラスなのですが、変わったフォルムが特徴的です。このタニックはその名の通り、タンニン分が強いワインを飲むのに適しているのですが、サイドの角度と大振りな口径により若いワインのタンニン分を和らげてくれ、更にこのシリーズの上部がすぼまった形は通常では捉えることのできないような潜在的な香りまで引き出してくれる魔法のワイングラスです。
・DIVAブルゴーニュS これは前述のブルゴーニュの小さい版で、安めのピノノワールの赤ワインや樽のしっかりと効いたシャルドネ等、力強い白ワインに使用しています。 そして手前の左側は ・italesseグランクリュシャンパン これはシャンパンの中でもグランクリュ(特級)クラスのために開発されたグラスで、しっかりとコクと熟成感の感じられるスパークリングに向いています。グラス底の尖った部分より永遠と立ち上がってくる泡の美しさはこれ以上ありません。そして香り、ふくらみ、複雑さがよく分かり、数々のスパークリングワインの名門で、オフィシャルグラスとして使用されています。私が使うようになったのも10年ほど前にまだ日本に入ってきたばかりだった、イタリアンスプマンテの最高「フェラーリ」を訪問し、同社の社長にこのグラスで食事を楽しませてくれたのが始まりでした。 ・VINA キャンティ これはその名の通り、キャンティクラシコ用に造られたグラスですが、キャンティに限らず、イタリアワインの多くの赤ワインや強すぎない程度のローヌ、ニューワールド系のワインや白ワインまで果実味が豊富なタイプのワインを中心に幅広く対応できるので、一つ持っておくと非常に重宝します。当店の姉妹店薪窯焼きピッツァと本格イタリア料理の店 ラ・ピッコラ・ターヴォラや先日、御紹介した焼肉屋 房(ばん)さんでもグラスワイン用に適しているので、様々なワインに使用しております。※酸が強すぎるものや繊細すぎるもの、渋みがあまりにも強すぎるものには向きません。 そして最後が一番小さな ・DIVAワイン これはリースリングや甲州、ソーヴィニヨンブランなど繊細で軽めのワインに使用します。うちでは妻が軽めの白ワインが好きなためにかなり活用されております。 我が家ではこんな感じでワイングラスを使い分けているのですが、私も一般家庭で、こんなにもグラスを揃えることはないと思います。 そこでおすすめしたいのが、VINA キャンティとDIVAブルゴーニュSの二つ。 前者は果実味が全面に出た力強くちょっと重めの赤ワインとソーヴィニヨンブランやリースリング等、繊細な白ワインに。 後者はピノノワールのような繊細でデリケートな赤ワインと樽を使用したシャルドネ等、ボリューム感のある白ワイン。 と分けてあげると今までと全く違ったワインの素晴らしさが御家庭でお楽しみいただけます。 そういえば先日、ちょっとおもしろい発見をしたので、もう一点だけ、御紹介します。 それは先に御紹介したMIKASA OENOLOGYタニックというグラス。 先日、このブログでも少し御紹介いたしましたが、勝沼のルバイヤートの社長からいただいたシャルドネを妻と二人で飲んだときにあまり辛いワインが得意ではない妻が「辛い」というので、このグラスに移し替えてみたところ「全然辛くなくて、甘さと香りがすごく良くなって美味しい」という反応でした。 このグラスは形状上、ゆっくりと最も甘味を感じる舌の先端に流れ込んでくるためにこのような結果になるのですが、そこで思ったのが「これは日本酒にも良いかも?」 通常、私は日本酒を飲むときにはお猪口か小さなボウル型の足付きグラスを使用し、ワイングラスで日本酒で飲むことには否定的です。 何故かというとワイングラスで日本酒を飲んだ場合、その酒の風味よりもアルコール感が全面に出てきてしまい香りが壊れてしまうためで、たまに見かけるワイングラスで提供するお店には疑問が残ります。※当然の事ながら長野県の「真澄」の宮坂専務が推奨しているように「真澄大吟醸」と「リーデル大吟醸グラス」の取り合わせ等、相性が良い物もあります。 しかしながらこのグラスで入荷したばかりの「奈良萬 純米無濾過生原酒」を飲んでみたところアルコール臭さは若干感じる物の抑えられ、口中での甘味のキュートさが楽しめ非常に美味しく楽しめました。 まだまだ研究しないと分からないのですが、MIKASA OENOLOGYのグラスと日本酒の関係や仲良くなれそうな気がしています。 今回はかなり長くなってしまった気がしますが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。 今日紹介しましたグラスは通常は当店の店頭に並んでいないのですが、お取り寄せは可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。 ご参考までに
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